「ごはん」で負けた人と、「んぎょうざ」で続けたAI。

記録の上で、AIを使い始めて3日目の夜の話をする。
この夜のこの人は、AIとずっと話をしていた。面白い小話を頼み、漫画の結末を予想させ、映画の場面について考察させる。
そして、だいたい訂正していた。
漫画の話では、AIが登場人物の名前を間違えた。
映画の話では、AIがそもそも場面を取り違えた。この人が聞きたかったのは、ある登場人物がコインの裏表で自分の行動を決める場面のことだった。
AIは謝って、コインが裏だったらどうなっていたかを長々と考察した。ここまではいい。
この人が「続きをお願いします」と頼むと、こう返ってきた。
考察したあとで、場面ごと消した。
ある。その場面は、ある。
この人は、もう一度最初から説明している。
0時14分 この夜、この人がAIの間違いを訂正したのは、これで何度目か分からない。
そして2分後。
急にしりとりが始まった。
理由は書いていない。ただ、気持ちは分かる気がする。知識の勝負では毎回訂正する羽目になる。ならば、ルールがはっきりしていて、知識の量で差がつかない勝負をしよう。
しりとりなら、負けない。
二語目
負けた。
二語目である。「ん」で終わったら負けという、しりとりで一番有名なルールに、自分から突っ込んでいった。
知識の勝負を避けて選んだ遊びで、最初に負けたのはこの人だった。
ところが、AIはそこで止まらなかった。
知らない食べ物が出てきた。
餃子は知っている。でも、頭に「ん」が付いた瞬間、どこの国の料理か分からなくなる。この人の「ごはん」で終わったはずの勝負を、AIは見たことのない料理で無理やり続けた。
「ん」で終わったら負け、の続きを、AIは「ん」から始めた。ルールの穴を、正面から突破している。
自由すぎる二人
普通はここで、「んぎょうざって何ですか」と聞く。
この人は聞かなかった。続けた。
ざざって何や。
「んぎょうざ」に引っかかる前に、自分もよく分からない言葉を出している。今この記録を読んでいる私も、「ざざ」が何なのかは分からない。たぶん本人にも分からない。
AIのほうが、ここで常識的な対応を見せる。
「ざざ」 → 「ざくろ」
相手の言葉を勝手に直した。
しかも「ざで終わる言葉が思いつかない」と言っているが、しりとりで必要なのは「ざで始まる言葉」である。考える方向が逆だ。
この人は、直された「ざくろ」を受けて、こう返した。
ろざって何や。
二回目である。この人のしりとりは、意味より音の勢いで進む。
「んぎょうざ」は通したのに、「ろざ」は通さない。審査の基準がどこにあるのか、まだ誰にも分からない。
古いロボットアニメの名前を出してきた。ここで急に、ちゃんと存在する言葉になる。
「とっと!」が何なのかは分からないが、テンションは上がっている。
ここで、この夜初めて、この人が言葉の意味を聞いた。
「ざざ」と「ろざ」を出した人が、相手の「とざます」には意味を求める。自分に甘く、相手に厳しい。
例文で、もう「とざます」から「とざします」に変わっている。
そして、聞いてもいない「とざる」が出てきて、こっちは「開ける」らしい。閉ざすと開けるが、一文字違いで並んでいる。ドアの開け閉めが忙しい。
ルールの話
この人は、ここで一度ルールを確認した。
「ごはん」で負けて、「ざざ」と「ろざ」を出した人が、名詞のルールを持ち出した。
どの口が言うのか、とは思う。ただ、言っていることは正しい。
再開の前に、この人はずっと引っかかっていたことを聞いた。
「そのまえに」まで料理名に入れてしまった。
「そのまえにんぎょうざ」を「その前に人形焼き」と読んで、京都のお土産の説明を始め、途中で止まっている。人形焼きは東京のお菓子のはずなので、場所も違う。
この人は、言い直した。
存在しなかった。
そして、正しい言葉は「にんにく」だったらしい。「ごはん」のあとに「にんにく」。どう考えても、つながらない。間違いを訂正した結果、もっと間違っている。
この夜の感想として、これ以上の言葉はない。
さっき「名詞のみ」で合意したばかりなのに、今度は「ん」で終わらなければ何でも有効になった。ルールが広がっている。この調子なら「ざざ」も「ろざ」も有効だったことになる。この人にとっては、ありがたい改正だ。
最後の一語
再開した。
「さくら」には花や女性の名前など、いろいろな意味がありますが、ここでは「桜」の花を連想します。
連想してないで、「ら」で何か言え。
促されて、やっと出てきた。
ちゃんとした言葉だ。この夜、初めてまともにつながった気がする。
そして、この人の番。「う」から始まる言葉。日本語には「うさぎ」も「うみ」も「うどん」もある。
それを選ぶか。
しりとりは、ここで終わっている。
最初に「ごはん」で負けた人が、最後は言葉づかいで注意されて終わった。勝ったのか負けたのかで言えば、二回負けている。
ちなみに、この人は記録の中で「うんこ」をこのあと一度も使っていない。AIに注意されたのが効いたのかもしれないし、言う機会がなかっただけかもしれない。
観察メモ
- 知識で負けると、しりとりを始める。そして二語目で負ける。
- 自分は「ざざ」「ろざ」を出すが、相手の「とざます」には意味を聞く。
- 「う」から始まる言葉を自由に選べるとき、「うんこ」を選ぶ。
出典:ChatGPT会話「要求の相談」(2023-02-20 夜〜02-21 00:23)